タガネ・ポンス台
旋盤などを用意
技術読本 Technology
技能士の修理技術
故障個所の直し方
故障や異常個所の例
対応技術


オーバーホール(分解掃除)で一番多く見受けられる症状です。油で汚れ固まったルビの穴石(ホゾ周辺部)基本手洗いできれいにします。

筒車などパイプ状の歯車は掃除棒を差し込んで棒をクルクルと回転させてパイプ中をきれいに磨きます。

掃除棒の先が黒く汚れているのがわかります。


テンプについたヒゲゼンマイの変形を修正します。ひげヒゲゼンマイが同心円状になるように修正します。修正前と修正後。いろいろな小物についている磁石などでヒゲゼンマイが磁化されるとひげ同士が引っ付いてしまい時間が狂ってしまいます。この場合は脱磁を行います。
ポンス台タガネを使って天芯の交換作業
天芯の交換作業です。机の上にはこの道具が置いてあり、お客様からかよくこの道具は何に使うのかの質問があります。昔はこの道具を頻繁に使い天芯の交換をしたものです。今でもポンス台は頻繁に使用しています。
ポンスタガネ

ヒゲゼンマイ

刃先が薄く研いだドライバーなどでヒゲゼンマイを外します。
振り座

振り座抜きを使って振り座を抜き取ります。
天芯

折れた天芯を抜くため固定されているコバを旋盤で取り除きます。
天芯

天輪・振り座・天芯・ヒゲゼンマイに分解されました。
天芯入れ

新しい天芯をポンス台にセット
天芯固定

頭が丸いタガネで天芯のコバを広げます。
固定作業

広げた天芯のコバを平なタガネで打ち押さえます。天芯を抜き取るときに旋盤で削り取った部分です。
振れ見

天輪が水平回転からぶれていないか見ます。ぶれている時には水平に回るように修正します。
振り座取り付け

振り座を取り付けます。ポンス台に垂直になるようにセットしなくてはなりません。
片重り見

天輪の片重りを見ます。テンプの重量バランスを均等にすることで姿勢差をなくすことができます。
ヒゲゼンマイ

ヒゲゼンマイを取り付けます。変形させないことが大切です。
センター出し

ヒゲゼンマイの取り付け位置の調整で片振りをなくします。アンクルの芯を中心にして左右均等に振るようにします。
ヒゲゼンマイ

天心の高さ・ヒゲゼンマイの水平度・片振り調整をこの段階で終了します。
交換作業完成

すべて調整が済んでムーブメントに組み込み動作確認
料金表は別画面で開きます
このほか多数の腕時計修理具体例を掲載しています。