完全不動の状態での、修理依頼オーバーホール。セイコーのパペチャルカレンダーで有名な4F32系の時計です。CR1612のリチウム電池を使用します。電池交換後のカレンダーのセットが難しくて、他店お断りで電池交換依頼お持込が多い時計です。
分解・修理の様子 Disassembly/repair
STEP1
オーバーホールの依頼
STEP2
ケースの状態
電池交換を行っても時々動作不良が発生します。分解調整も同時に依頼していただくとよろしいのではないかと思われます。ケースには無数の傷跡が・・・
STEP3
ケースとムーブメントの点検
ケース裏側には汗とホコリの汚れが付着。特別な傷みは見受けられませんでした。ふたを開け全体の状態を見ます。ケースとムーブメントの装着状態の点検。ムーブメントを取り出します。ガラスとケースとの取り付け状態もチェックします。
STEP4
ばねの交換
電気回路裏側の丸い部分と歯車に取り付けられたバネ(赤丸の部分)が接触することで超音波ローターに電気信号を送ります(24時間の信号と日送りの信号)ばねは新しい物と交換します。
STEP5
当店の技術
当店のWEBでは主に技術面について述べてまいります。メーカーも他店の技術者もあまり技術開示はしたくないものですが、当店はできるかぎり開示してまいります。
STEP6
回路接点の点検
この機械は回路接点部分の点検を慎重に分解して行きます。 ご購入後7~8年たっています。超音波ロータの動作不良が見受けられました。
STEP7
歯車のかみ合わせの検査
カレンダー部分や歯車のかみ合わせを検査します。この時点では異常はありませんでした。カレンダーの歯車の不良は見受けられませんでした。
STEP8
異常なし
日付板や日送り車には異常なし。
STEP9
ローター車
これが超音波ローターといわれているローター車です。繊細な部品ですので取り扱いも繊細なタッチが必要です。
STEP10
慎重な作業
芯の部分は樹脂製ですのでピンセットなどではつかまないようにします。画像のように側面を保持します。
STEP11
ユニット
赤○印が超音波ローターのユニットです。
STEP12
分解組立
超音波ロータのかな・日回し車のかなは、プラスチックを使用しています。分解組立の時には、変形させないように最大の注意を払います。ギアトレインはまだ見ることはできません。
STEP13
輪列(ギアトレイン)の分解点検
輪列(ギアトレイン)を分解点検。10倍20倍のルーペにて検査をします。洗浄前に出来る限り見落としをしないようにします。目視目視の連続。結局回路と接点の接触不良と、2番車の油の汚れが不動の原因でした。洗浄と磨きで、軽快に動きました。
STEP14
修理後
STEP15
修理完了
ベルトもケースも洗浄と磨き仕上げにて美しくなりました。
参考修理料金 2007/09/01現在
分解調整基本料金(クオーツ特殊Dランク) | ¥16,000 |
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合計金額 | ¥16,000(税込み) |