ムーブキャリバー3186のGMTマスター2のオーバーホール点検。24時間針回し不具合修理の依頼でした。専用工具で蓋を開けます。
分解・修理の様子 Disassembly/repair
STEP1
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-03.jpg)
24時間針回し不具合修理の依頼
STEP2
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-02.jpg)
自動巻き部分を検査
自動巻き部分などには異常はありませんでした。
STEP3
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-29-2.jpg)
全体の状態を確認
まず、全体の状態を見ます。針を回すときの違和感は画像からは判断できません。目視で確かめて初めて解るものです。そのほかに指先で感じる抵抗感。やネジを緩めるときや締める時の圧力感も今までの経験則から解ります。
STEP4
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-27.jpg)
異常の有無を確認
カレンダー送りや長身を回すときには異常が見られず、GMT針を回す時のクリック感がないためこの奥のようです。
STEP5
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-25.jpg)
不調の原因を確認
この針回しのユニットに原因がありそうです。
STEP6
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-22.jpg)
バネの交換
この部分に異常がありました。バネの赤丸の部分に日々が入っていてバネの力が全くなくクリック感なくなっていたものです。このバネの交換で治すことができました。現在ではこのバネの入手は困難なため、同様の故障の場合はメーカーへの修理依頼になります。
STEP7
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-20.jpg)
カレンダー部針回し部の点検
カレンダー部針回し部はすべて点検しました。ほかには異常なし。この時計の一番弱い部分が(06)のバネが弱いことですね。今回何とか入手できて交換ができましたが今では入手不可能です。部品も改良されて折れにくくなっているとは思いますがどうでしょうか?
STEP8
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-07.jpg)
ローター部分を外す
この後の部品はムーブキャリバー3135とほぼ同じです。ローター部分を外しました。この部分は油切れ以外はきれいな状態です。
STEP9
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-09.jpg)
その他の異常の有無を確認
24時間針がおかしくなっただけで時計全体に異常はありません。あのバネさえ壊れなければもっと使用できたのにもったいないね。時計というのはほんのちょっとした部品の不良でおかしくなるものですね。ロレックスでもこのような弱点となる部品を作ることがあるのですね。
STEP10
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-18.jpg)
輪列(ギアトレイン)の状態を検査
輪列(ギアトレイン)には異常なし。洗浄組み立てに行きます。
STEP11
![](https://tokei-ito.com/wp-content/uploads/2017/09/rx3186-19.jpg)
洗浄作業へ
すべての部品をばらして、洗浄作業へ。
参考修理料金 2017/09/01現在
分解調整基本料金(外国製・自動巻き・クラスB) | ¥37,000 |
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部品など追加料金 | ¥12,000 |
合計金額 | ¥49,000(税込み) |