カルチエパシャ2475の自動巻き、ビッグデイト表示付き、時々止まりの不調でお持込み。オーバーホール点検の依頼。不調の原因は分解しなければわからない状況です。
分解・修理の様子 Disassembly/repair
STEP1
オーバーホール点検の依頼
STEP2
ブレスの状態の確認
ケースの裏側には装着されているブレスにより細かな擦り傷がついています。
STEP3
ケースの傷の確認
ケース表面には長年使用してきた思い出の傷が多数ついています。
STEP4
蓋を開く
蓋回りのねじを緩めて開きました。ケース外周には汗や水による錆の発生が見られます。
STEP5
針を外す
針を外したところ、ピンセットに引っ付いてきます。磁化されているのがわかります。不動の原因はこの磁気によるものかな?この時点ではまだ結論つけることができません。先入観を持たないで全体の分解最終ま精査を続けます。
STEP6
カレンダーの送り状況の確認
カレンダーの送り状況を見ます。日付板の回転がスムースに動かない部分がありました。この部分も不調の原因かもわかりません。
STEP7
カレンダー板の磨き
カレンダー板の穴を掃除棒で磨きます。これにより回転がスムーズに回るようになりました。
STEP8
よごれの確認
動作不良の原因はいろいろな条件が繋がっています。これも不調の原因です。よごれが確認できますね。
STEP9
カレンダー送りの異常の確認
カレンダー送りの歯車(金色の大きな歯車)についている突起が日付板を回していきます。この部分には異常は見受けられませんでした。
STEP10
状態の確認
カレンダー送りの歯車には異常なし。
STEP11
ローター(自動巻巻上げの分銅)の取り外し
不調の原因調べはまだ続きます。ローター(自動巻巻上げの分銅)を取り外します。切り替え車や伝え車は一緒にはずします。
STEP12
油の確認
油切れの状態です。でも不調の原因はここでなさそうです。
STEP13
ゼンマイの巻き上げ状態を開放
ゼンマイの巻き上げ状態を開放して、ゼンマイからの力を緩めます。写真のように非常に多くの歯車で構成されています。各歯車の噛み合わせや点検も10倍のルーペにて検査をします。洗浄前に出来る限り見落としをしないようにします。
STEP14
部品全体の洗浄、組立て
ゼンマイを巻き上げる歯車や2番車の芯にはひどく汚れが付着しています。不調の原因は磁気・カレンダー板の汚れ・歯車全体の汚れでした。部品全体をきれいに洗浄して組み立て作業に入ります。
STEP15
組み立て後の動作確認
歯車や自動巻き部分を組み立てた後は、自動巻きのローターが左右にゆすったときにクルクルと軽く振れるようであれば大丈夫です。
STEP16
ケースに入れる
これから洗浄・磨きが完了したケースに入れます。
STEP17
最後の点検
二番車のカナの状態です。異常は見受けられませんでした。上の項目で不良箇所が見つかり修正もしましたが、最後まで点検は怠ってはいけません。
STEP18
修理完了
香箱(昔お香を入れる箱に似ているから香箱と呼ばれたようです)芯のカナの部分です。異常は見受けられませんでした。全ての部品を洗浄組み立て。異常なく動くようになりました。
参考修理料金 2008/09/01現在
分解調整基本料金(外国製・クラスC・機械式特殊) 革ベルト付きのため基本料金の90% |
¥40,000 |
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合計金額 | ¥36,000(税込み) |