ホールクロックの修理 分銅引き置き時計|分解具体例

分解・修理の様子 Disassembly/repair

STEP1

本体より機械・振り子・錘を取り外して工房に持ち帰る

分銅引きホールクロック完全不動のオーバーホールの依頼。このような時計は出張修理になり、修理料金よりも出張費用のほうがお高くなるのが難点です。今まで修理依頼をしていた時計屋さんが廃業され修理依頼先を探されていたそうです。ホールクロックの出張修理は、本体より機械・振り子・錘を取り外して工房に持ち帰り、作業後(約1ケ月後)、改めてお伺いし取り付けすることになります。

STEP2

完全修理決定

わたくしが修理を受ける場合は上部の部分だけでも外して修理場できっちりと分解調整をします。(1)の下部の木製の足場はこののような時計の修理のための足場です。旋盤などを使う修理となると現場だけの修理では満足がいかないためです。動作部分(ムーブメントだけでも)いったん加工場に持ち帰って完全修理をします。

STEP3

各歯車の摩耗などを上部から確認

ウエストミンスター寺院のチャイム音など3つの音色が選択できるようになっています。当加工場での修理は動作確認までをします。各歯車の摩耗などを上部から確認しました。

STEP4

分解

ゼンマイではなく分銅の重さが動力源です。1週間に一度分銅を上まで引き上げます。ウエストの音源を15分ごとに変化させる部分の分解です。各歯車やレバーはすべて洗浄磨きをかけます。

STEP5

点検

あまり使用期間は長くないようです。部品の摩耗があまりなく油の固まりのため動かなかったようです。長期間止まったまま置いてあったそうです。

STEP6

歯車の芯など大きい旋盤で磨きをかける

輪列(ギアトレイン)の各部分を順序よく分解精査していきます。摩耗している部分や芯などは修正しながら分解していきます。歯車の芯などは大きい旋盤で磨きをかけます。

STEP7

確認

羽がついた歯車は回転速度を空気抵抗で安定させるためです。音を鳴らす時計にはこのような羽がついた歯車が使われています。

STEP8

洗浄、磨き

輪列(ギアトレイン)の様子>各歯車を取り外して洗浄、磨きます。

STEP9

ほぞ穴の修正

洗浄後、ほぞ穴(歯車の芯が入る穴のこと)も減っている部分は修正して真ん丸に仕上げます。

STEP10

組み立て完了

組み立て完了。その後2日から3日程度動作確認、時間調整をします。お届けの時のご都合をお聞きします。当店の定休日が水曜のため水曜日にお預かり2週間後の水曜日にお届けとなる場合がほとんどですご理解ください。

STEP11

最後に確認、組付け

お届けの現場では水平や垂直の確認後、組付けをします。本体へ機会を組付け後、音のなり具合のや振り子の片振りの調整をします。組付け調整完了。今回は岐阜のお客様よりご依頼のため出張費用に関して説明をさせていただきました。

参考修理料金 2017/09/01現在

クロック分解調整基本料金 ¥25,000円~30,000円
出張費用 みよし市内¥30,000円~東海3県内¥50,000円
合計金額 ¥75,000(税込み)

ホールクロックについては現場では修理ができないため当店の修理
工房に機械部分のみを持ち帰り細部まで精密な修理を行います。
精度や動作確認をしてから再度現場まで出張取り付けにお伺いします。
このため修理日のスケジュールなどの打ち合わせが必要になります。
修理ご希望のお客様はお電話やメールでお問い合わせください。

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