ムーブキャリバー 3130 を使用したエクスプローラ1(4270)オーバーホール点検 竜頭ねじ込み不良修理の依頼。ケースから慎重にムーブメントを取り出します。もちろん専用工具で蓋を開けます。ゼンマイを巻き上げる時に抵抗感がなくゼンマイが切れているようです。
分解・修理の様子 Disassembly/repair
STEP1
オーバーホール点検、竜頭ねじ込み不良修理の依頼
STEP2
針を外す
秒、長、短針と針をはずします。裏側(文字盤下)輪列の動きを確認ここは異常はありません。
STEP3
全体の状態の確認
まず、全体の状態を見ます。自動巻き部分の動きや歯車の状態を調べます。自分の目でよく確かめることが大切です。そのほかに指先で感じる抵抗感。ゼンマイの巻上げの感触やネジを緩めるときや締める時の圧力感です。
STEP4
自動巻きゼンマイの巻上げ状態の確認
自動巻きゼンマイの巻上げ状態を調べます。自動巻き部品を点検します。ローターの芯の磨耗などを検査します。
STEP5
部品の展開
自動巻き部品の展開です。
STEP6
歯車のかみ合わせの検査
駆動部分の歯車のかみ合わせを検査します。この時点では異常はありませんでした。ゼンマイを巻き上げるときに、まったく抵抗感が無くスカスカの状態です。
STEP7
ゼンマイの部分(香箱)の取り出し
ゼンマイの部分(香箱)を取り出します。やはりゼンマイが切れていました。
STEP8
自動巻き部分や手動巻上げ部分の点検
自動巻き部分や手動巻上げ部分(キチ・ツツミ車)の点検です。あまり磨耗もなく、油が乾燥(減って)している程度かな?
STEP9
輪列(ギアトレイン)の状態検査
輪列(ギアトレイン)の状態を検査。時計部分の歯車は写真のように構成されています。各歯車の噛み合わせや点検も10倍20倍のルーペにて検査をします。洗浄前に出来る限り見落としをしないようにします。この機械は長期間使用していると、2番車3番車の芯が油切れによって磨耗損傷がよく見受けられます。定期点検は怠らないようにしてください。
STEP10
ゼンマイの部分(香箱)の分解
ゼンマイの部分(香箱)を分解します。やはりゼンマイが切れていました。洗浄後自動巻きゼンマイ用の専用グリスを塗布して新しいゼンマイを挿入します。ゼンマイは結構長くて弾性の強い金属で出来ています。
STEP11
部品の画像
この時計の中は多くの部品で構成されています。実際の修理ではこのような置き方はしません。皆さんにわかりやすいように、まとめて写真撮影しています。クオーツ時計に比べていかに部品点数が多いかお解りいただけると思います。
STEP12
仕上げ、防水検査
ベルトやケースの仕上げ作業をしてチューブ交換・ケース組み立て完成後、防水検査をします。
STEP13
修理完了
竜頭も新しくなりねじ込みも滑らかになりました。きれいに仕上がって喜ばれました。大切に扱ってくださいね。次回の点検もお待ちしております。
参考修理料金 2007/09/01現在
分解調整基本料金(外国製・自動巻き・クラスB) | ¥35,000 |
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リュウズ・ゼンマイ・芯修理など追加料金 | ¥15,000 |
合計金額 | ¥50,000(税込み) |