IWCインターナショナル アンティーク 自動巻きの分解修理|分解具体例

分解・修理の様子 Disassembly/repair

STEP1

分解修理のご依頼

古いインターナショナルの自動巻きの分解修理のご依頼でした。昔はこの時計をたくさん修理しました。

STEP2

文字盤を外し、針を回す具合の調整

ふたを開け文字盤も外し、針を回す具合も調整しました。これからムーブメントを精査します。何度も分解修理を受けていたと思われます。部品のあちらこちらに細かな傷が見られます。この時計を修理した時計職人はムーブメントの傷に対してあまり気を使わなかったのでしょうか?わたくしが修行していたころはピンセットやドライバーを毎日研ぎ出しムーブメントには気を使って修理に当たるよう教えられたものです。

STEP3

ハート形カムがIWCの特徴

ローターの裏側に取り付けられたハート形カムがインターナショナルの特徴ですね。この機能は現在の時計にも引き継がれています。ハート形カムとレバーの動きや仕組みは新しいIWCの修理例で説明しています。

STEP4

自動巻きの巻き上げを検査

自動巻きの巻き上げには異常は無いようです。2本の爪と2個の丸いローラーついたレバーが特徴です。

STEP5

複雑な構造の部品

この部品が複雑な構造をしていて、ローターのカムの回転運動を左右に動く往復運動に切り替える役目をしています。

STEP6

SEIKO61系との比較

SEIKOの昔の61系の自動巻きです。比較してみましょう。

STEP7

SEIKOのマジックレバーと巻き上げ車

SEIKOのマジックレバーと巻き上げ車です。中央の偏心ピンがインターのハート形カムの役目をします。2本の爪の形状が似ていることがわかりますか?

STEP8

爪の部分の比較

爪の部分の比較です。SEIKOのほうがシンプルですね。このシンプルな構造にしたことでレバーの故障率は軽減しました。また交換するのもコストがかかりませんね。時計のムーブメントはシンプルな構造のほうが故障率は減ります。

STEP9

カムの比較

日本人は昔からこのように他社の新構造を改良して独自のものに開発する能力がありますね。コピーから始まり改良につなげる能力には感心します。どこかの国のコピーだけとはちょっと違うところがあります。

STEP10

各歯車のカナの部分の検査

各歯車のカナの部分が油が乾燥したりして汚れているくらいで目立った摩耗などは見られません。調子よく動くようになりそうです。

STEP11

美しいムーブメント

部品の一つ一つがきれいに仕上げられています。日本の時計の部品と違って美しさがあります。分解修理は楽しい限りです。このムーブメントに傷をつけることは悲しいことですね。

STEP12

修理完了

ケースやガラスも磨きをかけてきれいに仕上げました。組み立て調整をしてケーシング。修理完了しました。

参考修理料金 2018/03/01現在

分解調整基本料金(外国製・クラスB・機械式) ¥37,000
合計金額 ¥37,000(税込み)

アンティークの場合は1ランクアップしますがこの時計の場合は部品が痛んでいなかったため現状ランクでお受けしました。

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