セイコー スピードタイマー 6138|分解具体例

分解・修理の様子 Disassembly/repair

STEP1

オーバーホールの依頼

完全不動の状態での、修理依頼オーバーホール。セイコー往年のスピードタイマー6138Bの修理です。現在のクロノグラフ機構にも部品形状などは引き継がれている優秀な時計です。

STEP2

ケース表面の状態

ケース表面の傷は多いもののムーブメントはあまり使用感が無くひどい摩耗部分もなさそうです。

STEP3

針と文字盤を外す

針や文字盤を外して行きます。カレンダー部分にも異常はなく油切れの状態です。

STEP4

自動巻き部分の精査

カレンダー部分をすべて外して自動巻き部分を分解精査します。

STEP5

油切れ

センターの歯車軸受けの油切れが見えます。ここが動きの悪くなる原因かも。

STEP6

テンプやアンクルをはずす

テンプやアンクルを外します。ムーブメント奥の状態を横から確認して異常が無いかを調べます。歯車のかみ合わせやクロノグラフレバーの状態には異常は見られませんでした。

STEP7

レバーやバネを外す

クロノグラフのレバーやバネを外して行きます。

STEP8

分解精査

文字盤側の香箱芯(ゼンマイの入っている車)からのクロノグラフ(時間表示車)の歯車部分を分解精査します。異常はありませんでした。

STEP9

クロノグラフの特徴

この時計のクロノグラフの特徴は4番車(クロノグラフ秒針の作部分)が2重構造になっているクロノグラフ(秒)部分を両サイドのレバーで浮かして時計駆動部分から切り離すようになっています。オメガ3313(コーアクシャル)のクロノグラフにも採用されている構造です。詳しい解説は時計の仕組みの中で解説して行こうと思っています。

STEP10

ルビー受け石の洗浄

赤い丸印のルビー受け石の油が古く固まっています。不調の原因はこの歯車の軸受けの油の固まりと乾燥によるものだと思われます。洗浄によりきれいに仕上げます。

STEP11

レバー板

中央から上部にかけてかみ合った2枚の板がクロノグラフ車(秒)を両サイドから挟み込むレバー板です。

STEP12

輪列(ギアトレイン)の状態

輪列(ギアトレイン)の状態は良好でした。中央の歯車がクロノグラフ車(秒車)です。黄色の歯車の上に丸い複雑な構造の板が2重構造になっています。

STEP13

輪列(ギアトレイン)を分解点検

輪列(ギアトレイン)を分解点検。10倍20倍のルーペにて検査をします。洗浄前に出来る限り見落としをしないようにします。目視目視の連続です。

STEP14

修理完了

洗浄後組み立て注油精度調整と進みます。ケースに収めてお客様にお渡ししました。

参考修理料金 2018/02/01現在

基本料金(国産・機械式特殊・Cランク) ¥32,000
合計金額 ¥32,000(税込み)
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