オメガ スピードマスター手巻きクロノグラフ cal:1863|分解具体例

分解・修理の様子 Disassembly/repair

STEP1

動作不良、オーバーホールの依頼

動作不良、オーバーホール依頼でした。時間が非常に狂うとのこと。原因を探ってみました。

STEP2

針や文字盤を外す

ケースからムーブを取り出し、針や文字盤をはずします。塗装された針を外す時には塗料をはがさないようにしなくてはなりません。塗装がはがれた場合は交換をします。

STEP3

文字盤裏側の歯車の検査

文字盤裏側の歯車には異常は見られません。時計の動きが不調なのは? どこでしょう?

STEP4

クロノグラフ機能の検査

クロノグラフ機能にも異常はありません。この仕組みは古くから使われています。

STEP5

4番出車を検査

4番出車を専用工具で抜き取ります。下の地板に傷をつけないように、同時に芯を折らないようにも専用の工具が必要になります。ここまでは、異常は見受けられませんでした。

STEP6

テンプ受け石を分解

テンプ受けを外す前に、ショックバネを外してテンプ受け石を取り外します。

STEP7

不調の原因を確認

(赤丸印の中心)ヒゲゼンマイの形状が同心円状になっていませんね。右に偏っているのが見えると思います。これが原因で時間が不調だったと思います。時間調整をどこかでやってもらったとか使用中に変形してしまったとか、いろいろな原因がありますね。この状態では横への圧が強くテンプの動きを悪くしてしまいます。

STEP8

ひげの変形を修復

この様に同心円上にひげの変形を直します。これで横からの余分な圧力がなくなりテンプは勢いよく回るようになります。

STEP9

出車の高さを調整

4番車の出車とクロノグラフ車へ伝える移動車の部分を水平になるように出車の高さを調整します。

STEP10

クロノグラフの秒車の構造

この様に小さな歯車をスライドさせて秒の動きを、出車(4番車)からクロノグラフの秒車に伝えています。

STEP11

歯車各種と押さえ板を分解

歯車各種と押さえ板です。ゼンマイを巻き上げるための歯車が押さえ板にねじ止めされています。この部分も分解します。

STEP12

すべての部品を分解精査

すべての部品を分解精査。きれいに洗浄します。

STEP13

クロノグラフ時針の部分を分解精査

クロノグラフ時針の部分もすべて分解精査します。かみ合わせには異常なし。

STEP14

修理完了

ゼンマイの部分も分解してクリーニング。すべての部品を洗浄して組み立てに入ります。時間の不調もヒゲゼンマイの形を直しておいたから調子よくなりました。

参考修理料金 2018/03/01現在

分解調整基本料金(外国製・Cランク・機械式特殊) ¥43,000
合計金額 ¥43,000(税込み)
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