カルティエ 自動巻きカレンダーつきクラシック(アンティーク)|分解具体例

分解・修理の様子 Disassembly/repair

STEP1

完全不動のオーバーホールの依頼

ムーブキャリバー(ETA2824)レディース を使用した往年のカルティエ。完全不動のオーバーホールの依頼でした。リュウズから汗水が入り、ひどいサビの状況が見ることができます。ベルトは所々磨耗損傷があり金具も再生が必要です。

STEP2

構造の確認

ガラスふちの小ネジと裏側のパイプ状のナットネジでガラスとパッキンをはさむ構造です。ネジが1箇所サビのためどうしても外れず、別作しました。

STEP3

ケース磨き

ガラスふちをはずすとそこは、サビのリングが・・・。ネジはすべて再生仕上げします。ケースは磨きで仕上げます。

STEP4

破壊分解したパイプ状のネジの拡大画像

破壊分解したパイプ状のネジの拡大画像です。汗とか水をつけたままにして置かれると、このような状態になってしまいます。汗や水につけたらよくふき取り乾燥させることで防ぐことができます。

STEP5

ベルトやケースの傷の確認

ベルトやケースには無数の傷が付いています。再生しがいがありますネ。ムーブメントにもリュウズ部分からの水の浸入のためサビが発生。リュウズはメーカーより入手不可のため再生します。

STEP6

パッキンの入れ直し

リュウズはパッキンを新しいのに入れなおし、別作のふたをして防水性をUPします。

STEP7

カレンダーユニットの分解検査

針や文字盤をはずし、カレンダーユニットの分解検査です。短針を取り付ける筒車や長針を取り付ける筒カナがひどくさびています。秒針が取り付けらる四番車の芯先もサビのため不動の状態です。

STEP8

自動巻きユニットの分解検査

自動巻きユニットの分解検査をします。

STEP9

サビの確認

自動巻きローターをはずし裏側を見ると、やはりサビが発生。水が入ったり、ガラスの内側が水滴で曇ったりしたときは、至急技能士のところへお持ちください。放置しますとこのように部品がサビのため交換を要すことが出てきます。定期の点検(4年から5年に一度)は忘れないように。

STEP10

自動巻き部分や手動巻上げ部分(キチ・ツツミ車)の点検

自動巻き部分や手動巻上げ部分(キチ・ツツミ車)の点検です。サビ取り作業に時間がかかります。修理料金は割り増しにしたいところですが、お得意様のため基準料金のままこれも世のため人のためと思って・・・磨き続けます。

STEP11

自動巻き輪列の状態検査

自動巻き輪列の状態を検査。幸いにも切り替え車などにはサビは出ていませんでした。各歯車の噛み合わせや点検も10倍20倍のルーペにて検査をします。洗浄前に出来る限り見落としをしないようにします。

STEP12

サビ落とし、脱水処理と磨き作業

テンプ(テンワ)の裏側もサビが、動きに非常に影響があるためサビ取りの特殊液に入れサビを落として、水洗いの後脱水処理と磨き作業などなど。結構手間がかかるのですよ。

STEP13

工程の終了

この機械の輪列(ギアトレイン)です。すべての部品を磨き上げ、洗浄、組み立て、時間調整、ケーシングすべて完了。完成後の写真を撮り忘れていました。

STEP14

仕上げ後の裏面

別作のネジもきれいに留められ、ケースも磨き上げられました。

STEP15

仕上げ後の表面

正面のガラスふちもキズを取り除きました。防水性能は落ちていますので、お水には注意してご使用ください。

参考修理料金 2007/09/01現在

分解調整基本料金(外国製・自動巻き・クラスB) ¥35,000
リュウズ再生仕上げ(技術料込み) ¥6,000
留めネジ別作 ¥2,500
合計金額 ¥43,500(税込み)
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