ムーブキャリバー3000を使用したエアキングです。オーバーホール定期点検の依頼でした。ケースから慎重にムーブメントを取り出します。もちろん専用工具で蓋を開けます。
分解・修理の様子 Disassembly/repair
STEP1
オーバーホール定期点検の依頼
STEP2
裏ふたを開ける
裏ふたを開けたところです。自動巻きのローターや機械とケースの取り付け状態を確認します。
STEP3
秒針、分針、時針の接触が無いか確認
秒針、分針、時針の接触は無いか確認します。自分の目でよく確かめることが大切です。そのほかに指先で感じる抵抗感。ゼンマイの巻上げの感触やネジを緩めるときや締める時の圧力感です。側面から針の水平度をみているところです。
STEP4
針を回す歯車の点検
文字盤をはずし針を回す歯車の点検です。丁寧に扱ってみえるようです。針の回しすぎによる歯車の減りもありませんでした。
STEP5
部品をはずして検査
すべての部品をはずして1つ1つ精密に検査です。
STEP6
自動巻き部分の点検
自動巻き部分を点検をして行きます。この時点では異常はありませんでした。巻き上げ状態も良好でした。
STEP7
自動巻きローターを裏側から外す
自動巻きローターを裏側からはずします。この機種はスナップリングで留められています。ロレックスの自動巻き機構は全体的に完成度が高く、故障率が非常に少ないのですが、定期点検を怠ると油切れによる部品損傷がありますので定期の点検(4年から5年に一度)は忘れないように。
STEP8
自動巻き部分や手動巻上げ部分の点検
自動巻き部分や手動巻上げ部分(キチ・ツツミ車)の点検です。あまり磨耗もなく、油が乾燥(減って)している程度。ピンセットの先に見える赤いものは、テンプの穴石です。
STEP9
輪列(ギアトレイン)の状態を検査
輪列(ギアトレイン)の状態を検査。時計部分の歯車は写真のように構成されています。各歯車の噛み合わせや点検も10倍20倍のルーペにて検査をします。洗浄前に出来る限り見落としをしないようにします。
STEP10
番車の画像
この機械は長期間使用していると、2番車3番車の芯が油切れによって磨耗損傷がよく見受けられます。定期点検は怠らないようにしてください。部品代金が余分にかかってしまいます。
STEP11
時間調整
この時計の時間調整は(1)を左右に移動して片振りをなくしますテンプが左右同じ量の動きをするようにします。テンプに付いた(2)のチラネジ(時間緩急用のネジ)を専用工具で回して進み遅れを調節します。
STEP12
テスターでチェック
片振りが無く、左右同じ振り量の場合のテスターの表示です。単位は0マイクロセコンドです。大きなずれのものは、5から10M-SECの片振りが見られます。私はすべて0から1に調整をしてお渡ししています。
STEP13
テスターの表示
時間の進み遅れの調整時のテスターの表示です。プラス5秒と表示しています。一日の誤差がプラス5秒の意味を表します。誤差はお客様の使用状況でも変わります。
参考修理料金 2007/09/01現在
分解調整基本料金(外国製・自動巻き・クラスB) | ¥35,000 |
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合計金額 | ¥35,000(税込み) |